<ニューヨーク>

ヘリコプター定期便の運航開始

 USヘリコプター社は去る3月27日、ニューヨークのマンハッタン・ヘリポートからケネディ空港への定期旅客便の運航を開始した。シコルスキーS-76ヘリコプターを使用して、午前7時から夕方7時前まで、毎時間1往復、1日24便の運航をするという。

 S-76の機内は、パイロット2人のほかに乗客8人の搭乗が可能。需要の対象は主に企業の役員や幹部などのビジネス客。とりわけウォール街の証券会社や金融機関で働くビジネスマンを対象としている。この人たちは、これまで車を使って空港へ向かっていたが、ほとんどは渋滞に巻き込まれて無駄な時間を費やしていた。それをヘリコプターは8分で飛び越えてゆき、旅客は少なくとも30分の時間節約ができるはず。運賃は現在139ドル。5月からは20ドル増の159ドルになるという。

 飛行は今のところ、マンハッタン・ヘリポートからケネディ空港までだが、今年後半にはラガーディア空港とニューアーク空港への運航も開始する。さらに東34丁目ヘリポートから各空港への運航も近く開始するという。こうした事業拡大のために、USヘリコプター社は去る2月末のヘリエクスポでシコルスキーS-76C++を4機発注している。

 USヘリコプター社は2003年に設立、本社をマンハッタン・ヘリポートの中に置いて、これまでヘリコプター旅客便の運航準備を進めてきた。その結果、運輸省、FAA、連邦通信委員会などの所要の手続きを全てすませ、それぞれの承認を取得した。特に重要だったのは運輸安全保障庁の承認で、これによりニューヨーク周辺の空域の安全は確保された。

 将来はニューヨーク以外の都市でも、都心部と空港との間の定期旅客便の運航を計画してゆくという。

 営業面ではアメリカン航空と提携している。それによりケネディ空港の発着はアメリカン航空のターミナル横でおこなわれているようだが、同航空の乗客が特別割引を受けられるのかどうか、よく分からない。しかし何かの機会を見て、ぜひ乗りにゆきたいと考えている。

【関連頁】

   ニューヨークのヘリポート(2006.4.5)

   シコルスキー・ヘリコプター(2006.3.9)

(西川 渉、2006.4.10)

(表紙へ戻る)