欠陥品を売ってもいいのか

 

 インターネット・エクスプローラ4.0(IE4.0)の配布がはじまったのは10月初めであった。私がそれを、自分の機械に取りつけたのは10月末である。しかし、うまくいかないどころか、インターネットそのものが見えなってしまった。

 止むを得ず、新しくアプティバを買ってきて、それにもIE4.0取りつけたのが1週間ほど後で、これまたクラリス・ホームページ製作ソフトの日本語入力ができなくなり、かろうじてインターネットの閲覧だけはできるものの、メール通信はできない状態となった。

 ところが今日、都内の大きな本屋をのぞいたら、驚いたことにIE4.0に関する解説書や設定マニュアル類が数種類も並んでいたのである。しかも決まったように、これらの本にはIE4.0の入ったCD-ROMの付録がついている。

 そこで疑問に思うのは、これらのソフトは10月末に雑誌の付録で手に入れたものの問題点が解消されているのかどうかということである。

 私が問題点に気が付いてからまだ1か月もたっていないが、その間に、これら解説書の著者や編集者たちは、どのようにして問題点を解消し、出版に及んだのだろうか。ためしに1冊買ってみようかとも思ったが、今日のところは止めておいた。おそらくはまだ、問題が解消されてないだろうからである。

 いちいち本の中味まで確かめなかったが、私の経験したような問題とそれを解消したやり方が本の中に書いてあれば、これは信頼できるであろう。けれども単にIE4,0を付録につけましたというだけでは信用できない。

 もしも欠陥品のまま本の付録につけて売り出したのであれば、これは一種の詐欺ではないのか。あるいは、故意とはいわないけれども、過失によって人に損害を与えるようなものではないのか。過失傷害か過失損害の罪にあたるであろう。

 この問題に関しては下記の【参考本頁】に示すように2度も書いたけれども、一方で欠陥が報じられながら、他方で本の付録としてどんどん配布されてゆくという事態は、どう考えればいいのか。たとえIE4.0のソフト自体が無償配布といっても、付録につけたからには、その本の出版社に責任が生じるはず。

 IE4.0解説書の各出版社は、そのあたりの責任と確信をもって本を出しているのだろうか。私の疑問と悩みは大きくなるばかりである。

(西川渉、97.11.22)

 

 

【参考本頁】

 ・エクスプローラ4.0に機械を壊された

 ・犯人はやっぱりエクスプローラ4.0

 

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