<ボーイング>

消えた787の教訓

  昨日の本頁「ボーイング787の教訓」について、読者のお一人からオリジナルはどこにあるのか、ウェブサイトを探しても見あたらないといわれた。今朝になって探してみると、確かに見あたらない。数日前に作文したときには見えていたので「オリジナルはインターネットで見ることができる」と書いたのだが、消されたのかもしれない。

 英フライト・インターナショナル誌のflightbloggerというサイトに掲載されていたはずで、信頼すべきホームページだが、やはり問題があったのか。あるいはエアバスかボーイングか、どちらかの弁護士がフライト誌に抗議でも申し入れたのだろうか。

 何か問題があったとすれば、あの報告書がボーイングの真実をついていたか、それともエアバスの調査に間違いがあったか、想像するだに興味がわくが、ほんとのことは分からない。


エアバス報告書の表紙

 それはさておき、ボーイング社が改めて787の修正日程を発表した。それによると、初飛行は2009年第2四半期、引渡し開始は2010年第1四半期という。

 日程遅延の理由は先般の2ヵ月に及ぶ従業員のストとファスナーの取り替え作業に時間がかかるためとしている。上のエアバス報告書にあったような問題については何も触れられていない。

 この修正日程以前は、初飛行が2008年第4四半期、引渡し開始が09年第3四半期となっていた。つまり半年ずつ遅れたことになる。

 こうした遅延騒ぎにもかかわらず、787の受注数は今も伸びつづけ、このほど15機の受注が発表された。これで同機の確定受注数は総数900機を超え、910機に達した。発注者の名前は公表されていないが、総発注者は59社になったという。

 

 【関連頁】

   ボーイング787の教訓(2008.12.15)
   ボーイング787さらに遅れる(2008.12.8)
   ボーイング787またも遅れる(2008.4.11)

(西川 渉、2008.12.16)

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