<ボーイング787>

またも遅延か(2)

 ボーイング787の開発の遅れがまたしても報じられている。本頁は何も787の遅ればかりを書くつもりはないのだが、2007年8月に予定されていた初飛行の遅れに始まって、次々とトラブルが発生、開発が遅れてゆくので目が離せなくなったのである。本文の見出しも前と同じ言葉にならざるを得ず(2)をつけた次第。 

 そこで一昨日のことだが、9月23日のシアトル・タイムズによれば、ボーイング787の試験飛行に使う原型6機のうち、最後の6号機がまだ飛べないでいるらしい。同機は去る6月に飛ぶ予定だったが、何故かそれが遅れ、次善の策として9月中に飛ぶことになっているもよう。

 もっともボーイング社によれば、6号機はGEエンジンを装備する機体なので、ロールスロイス・エンジンを装備する1〜4号機の試験および完成目標には影響しないという。

 ボーイング787は原型1号機の初飛行が2009年12月15日であった。その時点で定められた日程では、6月までに原型6機の全てが飛び、試験飛行を重ねて10月には型式証明を取り、全日空へ引渡される予定だった。

 しかし今、6号機はGEエンジンをつけて完成し、組立て工場の外に出てはいるものの、まだ飛んではいない。といって、最近の開発試験は飛ぶことだけが重要ではなく、地上試験もきわめて重要。したがって、飛ばないからといって日程が大きく遅れるわけではないとボーイング社は説明している。

 別に頼まれたわけではないが、787の開発は最後の最後まで目が離せない。

 なお、ボーイング787は最近までに原型5機を合わせて611回、1,880時間の飛行をした。そして20機以上の量産機がすでに組立てを始めている由。エアラインのパイロット訓練も始まった。近く日本にも空港の適性試験のために飛来するらしい。就航準備は着々と進んでいるのだ。

(西川 渉、2010.9.25)

【関連頁】

   ボーイング787引渡し開始は来春(2010.8.30)
   ボーイング787尽きない悩み(2010.8.13)
   ボーイング787またも遅延か(2010.7.17)

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