<ニュースの要約>

ベトナム航空7E7を発注

 旧臘大晦日ぎりぎりになってボーイング社から7E7の追加受注に関する電信が送られてきた。シアトル発12月30日という日付で、ベトナム航空が4機の7E7-8を発注したという。これで7E7の受注総数は126機、発注エアラインは8社となった。

 ベトナム航空は現在、777-200ERを6機と767-300ERを4機運航中。拠点はハノイおよびホーチミン・シティで、東京、大阪、台北、ソウル、北京、メルボルン、モスクワ、パリなどへ定期路線を持っている。

 7E7-8は、ボーイング社によれば、3クラスの客席配置で、乗客217人乗り。航続距離15,700kmで、燃料消費は従来の旅客機にくらべて2割減という。速度はマッハ0.85。機内は与圧と湿度を上げて、乗客の快適性が向上する。

 エンジンはGEとロールスロイスの2種類から選択装備をすることになっているが、ベトナム航空はまだどちらとも決めていない。

 
7E7ベトナム航空機(想像図:ボーイング社提供)

  これで昨年末までの7E7の受注総数は下表のとおり、126機となった。2004年中に200機の注文を取るという目標には遠く及ばぬ結果である。

 この目標が無理なことは誰もがそう思っていたはずだが、何故ボーイング社がそんな目標を真面目くさった顔で公表したのか、私には理解できない。長年にわたってトップの座を維持してきた驕慢のようなものがあるのだろうか。何も、エアバスの肩を持つつもりもないが。

エアライン

国  籍

発注機数

全日空

日本

50

エアニュージランド

ニュージランド

2

ブルーパノラマ

イタリア

4

ファーストチョイス

英国

6

プライマリス

米国

20

日本航空

日本

30

コンチネンタル航空

米国

10

ベトナム航空

ベトナム

4

合      計

126機


7E7プライマリス航空機

 上表のうち、正式契約が調印されているのは、56機だそうである。これに他のボーイング機を合わせた2004年中の受注総数は下表のようになる。

機  種

2004年

2003年

2002年

2001年

2000年

717

8

8

32

5

21

737

121

206

162

188

383

757

0

1

0

37

43

7E7

56

――

――

――

――

767

9

10

8

44

9

777

42

12

32

30

116

747

10

4

17

16

27

合  計

246

241

251

320

599

 この表からも分かるように、5年前のほぼ600機から、この3年間は半分以下に落ちこんだ。そのうえ一方ではエアバス社に追い上げられ、ボーイング社の苦悩のほどが察せられる。

【関連頁】

 ボーイング7E7受注状況(2004.12.31)

 ボーイング7E7対エアバスA350(2004.10.11)

 エアバス対ボーイング(2004.7.16)

(西川 渉、2005.1.3)

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