<VH-71>

2機の試験飛行つづく

 米大統領の次期専用ヘリコプターは、開発第1期のVH-71Aが2機製作され、メリーランド州パタクセントリバーで米海軍による試験飛行がつづいている。最近までの飛行時間は約750時間。2010年には実用になる予定。

 第2期のVH-71Bは、ー71Aをさらに改良するもので、2017年の実用化をめざす。こうしたVH-71大統領機は全部で28機が製造される予定。うちー71Bが23機。

 製造コストは2005年の時点で61億ドル(約6,700億円)と見積もられていたが、今や112億ドル(約1.2兆円)までふくれ上がった。1機400億円以上の機体になる。

 というのは安全性をさらに高め、速度や航続性能を上げ、通信機能を充実させるなどの改善要求が出たためで、機体構造も主ローターブレード、トランスミッション、尾翼の改造など、合わせて2,000項目近い改修がなされたという。

 なお現在ホワイトハウスはシコルスキーVHー3Dシーキングを11機、VHー60Nを8機使用中。このうち最も古いのは、引退までにVH-3Dが使用43年、VH-60Nが31年になる見こみ。


試験飛行中のVH-71A

【関連頁】

 迷走する米大統領機(2008.2.18)

 欧州生まれのUS101(『航空ファン』2005年5月号掲載)

 米大統領機US101に決定(2005.1.31)

(西川 渉、2008.7.30)

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