<小言航兵衛>

ボーイング787とブタ

 英フライト・インターナショナル誌が毎週インターネット上で、航空に関するアンケート調査をしている。

 今週のそれは「最初に飛ぶのはどれか」という質問で、選択肢はボーイング787、エアバスA400M輸送機、pigの3つが並んでいる。pigという飛行機は聞いたことがないので、きっとブタのことではないかと思うが、ブタだっておだてりゃ木にも登るし、宮崎駿の「紅の豚」を見れば空を飛ぶのも上手である。

 質問も皮肉だが、読者も皮肉なもので、まだ途中経過ではあるが、620人が投票した時点で787が38%、A400Mが20%、ブタが42%という結果になっていた。

 このアンケートの選択肢に日本のC-X輸送機が入ってなくてよかったと思うのは、航兵衛ばかりではあるまい。日本でC-Xとブタを比較しようものなら、防衛省、通産省、メーカーなどはカンカンに怒るだろうし、そんなことを書いた航空雑誌には広告を出さないなどと言い出しかねない。

 しかしイギリス人は持ち前のユーモア・センスに加えて、アメリカなんぞは昔の植民地くらいにしか思っていないから、アメリカをからかうなどは日常茶飯事。

 投票の締切は8月6日だそうだから、ボーイングやエアバスをからかいたい人は、C-Xの遅れには目をつぶって、フライト誌のサイトにアクセスしてみたら如何だろうか。念のために、今日は小言ではありません。


「ほら、ブタだって飛べるんだぞ」

 【小言航兵衛の頁】 

   ビジネス機の受難(2009.1.30)
   ばいばいブッシュ(2009.1.20)
   日本は侵略国家か(2008.11.8)

(小言航兵衛、2009.8.1)

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