<エアバスA380>

原型2号機が初飛行

 

 エアバスA380の原型2号機が初飛行したと報じられた。10月18日午前10時49分、南仏トゥールーズで、小雨の中を飛んだという。エンジンはロールスロイス・トレント900を4基装備している。

 今後なお、試験飛行には原型3機が加わり、代替エンジンのアライアンスGP7200の飛行試験や騒音測定、キャビン快適性の確認などがおこなわれる。

 

 A380は原型1号機が去る4月27日に初飛行した。同機は最近までに105回、366時間の試験飛行をしている。結果は良好で、空力特性、低速時の振動、自動着陸などの確認が終わっている。

 最終的には5機で2,500時間以上を飛び、欧州と米国の型式証明を取得する予定。

 最近までの受注数は、顧客16社から159機。最初に受け取るのはシンガポール航空だが、その引渡し時期が当初予定の2006年3月から同年末に遅れつつあるため、同航空のフラストレーションをつのらせている。ただし試験飛行そのものは予定以上に早く、順調に進んでいるというのがエアバス社の主張。

 A380は3クラスの標準客席数が555席。10,300kmの航続性能を持つ。これで1席あたりの運航コストは従来の旅客機の15〜20%になる。また排気ガスも減り、騒音は747の半分とか。

 10月末にはドイツ・フランクフルト空港へ飛んで、この超巨人機と空港施設との適合性を確認する。特に空港内のタキシング、ターミナルビルへの接合、ボーディング・ブリッジの位置、貨物の積みおろし、燃料補給、ケータリングなどの確認が課題となっている。

 その後11月に入ってから、シンガポール、クアラルンプール、シドニー、メルボルン、ブリスベーンなどへ飛び、各空港施設の確認とデモ飛行をおこなう。そして11月後半にはドゥバイ航空ショーに展示される。A380が欧州の外へ出るのは、これが初めてである。


(写真はいずれもA380原型2号機初飛行のもよう。エアバス社提供) 

【関連頁】

   A380初飛行の詳報(2005.5.2)

   A380が初飛行(2005.4.28)

   A380初飛行せまる(2005.4.7)

   A380の希望(2005.1.21)

   A380の前途(2005.1.20)

   A380の披露(2005.1.19)

(西川 渉、2005.10.21) 

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