<2011年>
明けましておめでとうございます 昨2010年、本頁は1年間に約117万件のアクセスをいただきました。「ミリオン・セラー」といえるでしょうか。
正確には1日平均3,207件になります。前年は1日3,566件でしたが、この1年間は思いのほかに忙しかったのと、老齢のせいで本頁用の記事を小まめに書く気力が薄らぎ、従来のように毎日更新の原則が守れなくなってきたことから、アクセス数も減ったものと思われます。
やはりホームページは、何といっても更新を絶やさないことが大切です。今年はできるだけ、その原則を守ってゆきたいと思います。
ところで年末、久しぶりに書棚を買いました。わが家には、これまでも10ヵ所に書棚があり、造りつけの本棚も3ヵ所にありますが、本があふれて押入れにも入りきらず、どうにも整理がつかなくなってきました。
やむを得ず、10年ぶりか、もっと間をおいて11本目の書棚に踏み切りました。書棚の購入を長年ためらっていたのは、家人が書棚ばかり増えて家の中がせまくなるといって邪魔にするのと、もうひとつは本をガラス戸の中に並べて大事にするのはいいけれど、その本が痛む前に自分が痛んでしまうと思われるからでした。
とにかく本というのは、まことに厄介なもので、そこら中にはびこる上に、無闇に重たいので注意しないと床の根太が抜けたりします。そのため先代からの家を建て替えるときも、もはや30年以上も前のことですが、できるだけ頑丈な根太にするよう大工さんに頼んだものでした。それでも年を経るにつれて居間の床がべこべこになってきて、本のせいばかりではないと思いますが、何年か前に張り替えたりしました。
ついでに、昨2010年中に購入した本を調べてみますと総計98冊でした。ほかに著者からいただいたり、共著者として貰ったりした本が5冊ほどあります。
一方、読み終わった本は105冊でした。購入よりも読了の方が多いのは、以前に買った本を読んだのと、さらに図書館から借りて読んだ本も25冊ほどあったためです。したがって購入した本の中には、当然のことながら、読み終わらないものも沢山残っています。
半年ほど前でしたか、未読の本が増えていくのを気にしていたところへ、NHKテレビが速読術の番組を放送しました。新書版1冊が10分間で読めるとか、記憶力も良くなるなどというので、半日だけの速読教室に体験入学しました。しかし、先ず姿勢を正して、視野を広げ、目玉を速く動かしながら、頁を素早くめくるなどという授業で、無駄なお金を費やして無駄な半日を過ごしたような結果となりました。
もっとも、そこで習ったことを繰り返し続けてゆけば速く読めるようになるのかもしれませんが、そんな根気はありません。したがって、読みたい本が目の前に沢山あるのを眺めながら、なかなかはかどらない状態が今も続いています。それでも本の広告を見たり、本屋の中を歩き回ったりしていると、これは買っておかなくてはといった欲望が生じて我慢できなくなるのです。
とはいえ最近は、いくら読んでも片っ端から忘れてゆくので、まったく無駄な悪循環を繰り返しております。本きちがいというのはまことに困った病いで、住まいの空間がせまくなり、お金が少なくなり、眼が見えなくなり、重たい紙の束ばかりが増えてゆくといった結果になります。
もうひとつ昨年1年間に出かけた海外旅行について、指折り勘定してみますと、7回の出国をしておりました。現役のときも、国外出張はよくありましたが、商社員ではあるまいし、年間7回というのは経験したことがないような気がします。
行った先はシンガポール、アメリカ、ドイツ、中国(2回)、韓国(2回)です。無論この歳になって切った張ったのビジネスなどはありませんが、決して物見遊山に終わらないよう心がけました。したがって、シンガポール行は次男の家族が勤務先の人事異動で転勤したため、家人と共に様子を見に行ったものですが、ついでにシンガポール航空ショーを2日ほど見てきました。もっとも私の場合は航空ショーの方が主目的で、子供の家庭訪問は口実だったわけですが。
またアメリカは国際ヘリコプター協会(HAI)主催のヘリエクスポ見学、ドイツはヘリコプター救急開始40年の記念行事とベルリン航空ショー、そして中国と韓国はヘリコプター救急の胎動に応じて、その誕生を促すのが目的でした。それぞれの日程は下記の通りです。
- 1月30日〜2月4日:シンガポール(次男宅訪問と航空ショー見学)
- 2月20日〜26日:アメリカ(ヘリ・エクスポ見学。フライト・セイフティ社およびベル・ヘリコプター社の訓練施設見学)
- 5月27日〜30日:北京(ヒラー直升机の中国工場建設のもようを張家口に見る)
- 6月5日〜12日:ドイツ(ミュンヘン・ハラヒン病院、ベルリン航空ショー、HEMSアカデミー見学)
- 7月24日〜26日:北京(人民大会堂で講演)
- 10月26日〜28日:釜山(ITS知的交通システム世界会議/HEM-Netグラフp.13)
- 12月16日〜18日:韓国(延世大学トラウマ・シンポジウムで講演)
昨年は講演の機会も10回ほど与えられました。また作文もいろいろ書きました。本頁用に書いたものは別として、新聞、雑誌、書籍など紙の上に印刷されたものは下記のとおりです。これらは原則として本頁に掲載してありますが、版権の問題などで掲載していないものもあります。
- 「羽田空港ハブ化」(ゲーテ、2010年1月号)
- 「ドクターヘリのすすめ」(全日空ていくおふ、2010年冬号)
- 「埼玉県ドクターヘリ高速道路事故に備えて出動訓練」(HEM-Netグラフ16号pp.11〜12、2010年2月1日)
- 「クグラーさんを偲ぶ」(HEM-Netグラフ16号p.8、2010年2月1日)
- 「山岳救助の天才ダビンチ・ヘリコプター」(航空ファン、2010年2月号)
- 「救急医療の危機を救うもの」(体験派医療人マガジンLattice、2010年2月号)
- 「一般航空の動向」(航空宇宙年鑑2009、2010年2月25日)
- 「救急医療と時間基準――世界主要国のレスポンス・タイムと日本のあり方」(厚生労働科学特別研究、2010年3月)
- 「編集後記」(日本航空医療学会雑誌、2010年春号)
- 「多発する米救急ヘリコプター事故――安全は取り戻せるか」(航空ファン、2010年3月号)
- 「ドクターヘリの安全に関する研究と提言」(編著、HEM-Net研究報告書、2010年3月)
- 「豪州フライング・ドクターと固定翼機による救急飛行」(編著、HEM-Net調査報告書、2010年3月)
- 「世界の航空機工業」(ブリタニカ国際年鑑2010、2010年4月10日)
- 「世界の航空交通」(ブリタニカ国際年鑑2010、2010年4月10日)
- 「ダッシュ8故障多発の実態」(航空情報、2010年4月号)
- 「なぜ今ドクターヘリか」(DtoD メールマガジン、2010年4月号)
- 「炎天下で燃え上がる国際競争――シンガポール航空ショー」(航空ファン、2010年5月号)
- "Japan - A Recent Success / EMS in AustralAsia" (英訳山野豊氏、豪HeliNews, May 2010)
- 「テキサス・サイズのヘリコプター・ショー」(航空情報、2010年5月号)
- 「ヘリコプターの安全を呼びかけ」(航空ニュース特集版、2010年5月20日)
- 「仕切り直しの米大統領ヘリコプター」(航空ファン、2010年6月号)
- 「ドクターヘリの安全」(HEM-Netグラフ17号p.13、2010年6月7日)
- 「ドイツ・ヘリコプター救急40年とクグラーさん」(航空ニュース特集版、2010年7月30日)
- 「二人の中心人物が語るドイツ・ヘリコプター救急の足跡と現状」(インタビュー、HEM-Netグラフ18号pp.9〜13、2010年8月30日)
- 「100年を超えたベルリン航空ショー」(航空情報、2010年9月号)
- 「ヘリコプター事業の開発と展開」(日本航空協会「日本の航空100年記念出版」、2010年9月21日)
- 「米ヘリコプター救急の安全問題」(ヘリコプタージャパン、2010年10月号)
- 「救急医療の課題」(航空ニュース特集版、2010年10月29日)
- 「ドクターヘリ発足10年――量的拡大から質的充実へ」(新医療、2010年11月号)
- 「北海道における飛行機救急の可能性」(日本航空医療学会総会抄録集、2010年11月20日)
- 「ヘリコプター救急におけるゲアハルト・クグラー氏の功績」(日本航空医療学会総会抄録集、2010年11月20日)
- "An Overview of the Development of HEMS in Japan" (英訳山野豊氏、米Air Medical Journal, Nov.-Dec. 2010)
- 「エコノミーとエコロジーのハーモニー――ATRリージョナル旅客機」(エアワールド、2010年11月号)
- 「ヘリコプター開発の最新事情」(エアワールド、2010年12月号)
昨年1年間をふり返りつつ、本年もいささかなりとも皆さまのお役に立てる年でありたいと願っております。何とぞご厚誼のほど、また本頁ご愛顧のほどお願い申し上げます。
佳き年のご多幸をお祈りいたします。
(西川 渉、2011年元旦)