<エアバス対ボーイング>

パリの感情

 

 ボーイング社は新しく開発中の787旅客機について、中国から確定42機の注文を獲得した。中国は今年1月、航空企業6社が合わせて60機を発注する予定と伝えられたが、このうち2社はまだ最終的な決断に至らず、4社だけが発注を決めた。

 42機の内訳は、中国民航と中国東方航空が各15機、上海航空が9機、厦門航空が3機。契約金額は総計50億ドル余り(約5,500億円)となる。なお、厦門航空は中国南方航空の子会社で、今年4月に45機の737を発注したばかり。

 ボーイング社は残りの2社――海南航空と中国南方航空との間でも契約交渉を進めている。

 これで787の受注数は確定185、発注予約91機となった。

 中国の発注に先立って去る6月21日、ベトナム国営航空はボーイング787を4機確定発注した。ほかに11機の仮注文も出したという。

 この時点でボーイング社は787の確定受注128機、仮124機と発表していた。しかし、この数字に中国の発注分を加えても185機にならない。その差15機を、この1か月半の間に誰かが発注したのかもしれぬが、ボーイング社の発表にはない。

 どうでもいいような他人事だが、勘定が合わないのは、なんとなく気持ちが悪い。

(西川 渉、2005.8.10)

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